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ほ乳類の瞳孔にはさまざまなカタチをしたものがあります。似たような動物でもまったく違った瞳孔のカタチをしていたり、全然違う動物なのに同じような瞳孔のカタチをしていたりと規則性はありません。
たとえば同じイヌ科の動物であるキツネとイヌ。イヌの瞳孔は私たち人間のように丸くなっていますが、キツネの瞳孔はまるでネコのように縦長のスリット状になっています。明るいところでネコの目を覗きこんでみてください。キツネの瞳孔と同じカタチをしていることがわかります。
瞳孔のカタチが異なると、見え方には変化があるのでしょうか。丸い瞳孔を持っている生き物は網膜にすい体細胞の多い昼行性であることが多く、かん体細胞の発達した夜行性の動物は縦長のスリット状の瞳孔をしていることが多いようです(網膜についてはバックナンバー参照)。キツネは夜行性の動物ですが、特に夕方や明け方といった薄明るい時間帯にもっとも活発になる動物です。そのため、キツネは縦長のスリット状の瞳孔を持っています。
縦長のスリット状の瞳孔のメリットは、明るいときと暗いときで大きさを極端に、しかもはやく変えることができるということ。光の量がほとんど0になってしまうぐらい細くすることができ、明るい場所では感受性の高い網膜を保護することができます。そのほか、草むらや茂みなどの縦長の障害物が多いところで生活するには、縦に細長いスリット状の瞳孔が有利であるともいわれています。
引用文献
永野為武:さまざまな視覚の世界,p.54,新潮社(東京),1966
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